モノローグ | つくば在住のガーデンデザイナーのひとりごと【sora-niwa】

研修Report.2 ニコライバーグマン箱根ガーデンズ

続いては昨年2022年4月にオープンしたばかりの

「ニコライバーグマン箱根ガーデンズ」を訪れました。

デンマーク出身のフラワーアーティスト、ニコライ・バーグマン氏が

2万坪超の原生林を数年かけて整備したガーデンです。

ベースは原生林の高木や山の起伏を生かしたナチュラルなガーデンですが

欧風の整形式庭園を思わせる刈り込まれたツゲがあったり、

トピアリーやコンテナプランツ(鉢植え)があちこちに散りばめられていて

ナチュラル+アーティフィシャルのバランスが絶妙でした。

コンテナプランツは、日本で一般的な複数種の寄植えではなく、

大きなコンテナに1種だけ植えられていてそのコンテナがまとめて配置され、

複数のコンテナによる寄植えという構成が印象的でした。

ガラス張りのガーデンハウスも高木の木陰で快適でした。

原生林を残した高木は木陰や木漏れ日を提供してくれるだけでなく、自然樹形の美しさに見惚れます。

ここでしか味わえないであろうとても贅沢なロケーションです。

黒いフレームがスマートな、デンマークのJULIANA社のガーデンハウスが使われていました。

ガーデンハウスだけでなく、デッキや階段、境界杭、カフェハウスなど

ほぼすべての構造物がブラックで統一され

北欧らしいカラースキームで緑や花の色合いが引き立ちます。

ブラックのウッドデッキは靴跡や泥汚れが目立つためか通常あまり見かけませんが、

こちらのガーデンのようにウッドチップなどで周囲をカバーし、

泥や土が上がらないように配慮すれば実用に耐えうると感じました。

ブラックの外壁の建築や、モダンでスタイリッシュな雰囲気がお好きな方におすすめしたいスタイルです。

 

サスティナブルな考え方で作られたガーデンで、園路のチップは伐採した熊笹やススキで作られています。

剪定枝を用いた魚子垣(ななこがき)風の垣根や

間伐材の枝を組み合わせた柵(しがらみ)による土留めも使われていました。

日本庭園の伝統的な造園技法も、北欧風ガーデンに違和感なく溶け込んでいて勉強になります。

紫陽花が美しい時期に訪れましたが、ぜひ別の季節にも訪れたいガーデンでした。

NICOLAI BERGMANN HAKONE GARDENS

〒250-0408 神奈川県 足柄下郡 箱根町 強羅 1323-119